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湿原ウォッチ

DAY17 美しい村連合・北海道鶴居村 写真家殺到!夏でも鶴に会える美しい村は、なぜか近ごろ移住者にも大人気


なんとなく、雰囲気のいい町だな。踏み入れたときから、そう思いました。鶴居村は、鶴で有名な町。特に町並みについては聞いていませんでした。が、役所前のメイン通りは電線がなく(住宅の裏側に通っている)、高い建物もない。歩道もゆったりとってあり、街路樹が並ぶ。空が広い。
鶴居村町の様子建替えたばかり、というのもあるだろうが、公営住宅も平屋で統一されたデザインになっている。ゴミも少なく、清潔感があるまちだと感じました。
公営住宅
釧路湿原の北端鶴居村
町並みはさておき、鶴居村はその名の通り、鶴=タンチョウがいることで有名な村。釧路湿原の北側に位置します。釧路湿原、というと、釧路市にあるのではないかと思いがちですが、実は釧路市、釧路町、鶴居村、標茶町の4市町村にまたがる大湿原。観光地化されているのは、ノロッコ電車等アトラクション的なものがある釧路市や釧路町だそうですが、タンチョウを見るなら、やはり鶴居村!(だそうです)。

鶴の絶滅が危惧されていた頃、この村の小学生が鶴を発見し、小学校で餌を与え始めたのがきっかけで、現在でも環境省の管理のもと、タンチョウの保護活動か続けられています。

鶴居

写真家の宿 HOTEL TAITO
鶴居村では珍しく、ホテルTAITOを経営する和田さんのお話を伺うためにホテル泊。和田さんは旅館業を次いだ3代目であり、プロの写真家でもある。タンチョウの写真を撮るために鶴居村にくる人は、この宿に足を運ぶのが恒例となっているようです。夜8時を過ぎると、ホテル中2階の和田さんの書斎がバーに。続々と写真好きが集まり、情報交換タイム。なんと、冬場はお客さんの8割が海外の写真家さんになってしまう程の写真のメッカ。
HOTEL TAITO
写真家じゃない私たちも、和田さんの巧みなファシリテーションにより仲間に入れてもらい、上等なウィスキーまでご馳走に。みんな写真の話もそこそこに、ここでこうして和田さんとお話しするのを楽しみにしているだけなんじゃないかしら…と思えるほど、和田さんは分け隔てなく、誰にでもまっすぐ向かってくださる、信頼できる友達のような方。
和田さんと
話を聞いているうちに、タンチョウにそんなに関心がなかった私たちまで、なんだかタンチョウが見たくなる。この時点で夜22時くらい。相当なわがままを言って、翌朝5時から、急遽、タンチョウ・ウォッチのツアーを開催していただくことに
タンチョウ探索翌朝、キラコタン(保護区域のためガイドがいないとはいれないエリア)探索に。霧の中をぐんぐん進んで、いくつかのview pontへ。望遠鏡を覗いて、湿原に数羽のタンチョウと、エゾシカを発見。
キラコタン岬
タンチョウって、渡り鳥だと思われているのですが、一年中見られる動物なのだそう。もちろん、雪の上で舞う鶴は幻想的で美しいですが、緑の湿原にいる姿もなかなか。そして、この時期はなんと、子育て真っ盛り!なので雛がみられるチャンスがあるのです。

アイビーロード夏のタンチョウは子育てに一生懸命でどろんこまみれになってしまう。
タンチョウはとても子供をかわいがる鳥で、絶対に子供から離れない。

キラコタン探索の帰り道、私たちもひな鳥に出会えました!!アイビー・ロードを横断するが如く、悠々と、揃った足並みで道を渡っていくタンチョウ親子。牛の飼料の中のコーンを求めて、農家の庭に姿を現すのだそうです。にしても、和田さんと行く3時間あまりのツアー。プロのカメラマンにみっちり地元をガイドしていただけ、めちゃくちゃおすすめです。
タンチョウの雛

HOTEL TAITOのモール泉
HOTEL TAITOは和田さんの魅力を語るだけでは片手落ち。実は、ここのお風呂がすっっっごくいいんです!今回の旅で、ほぼ毎日温泉にはいっていますが、疑念の余地なく、ここのお湯がベスト。泉質は珍しいモール泉*。茶褐色で、匂いはそれほどないが、お湯がトロトロ スベスベ!重曹も含んでいるため、体にシュワシュワーっと細かい泡がつくのも気持ちいい。真面目一筋だった和田さんのお父様が、唯一、賭けに出て掘り当てたというこの温泉。努力がこのようなかたちで報われて、よかったですね。
TAITOの温泉

移住者が殺到「夢の杜」団地
さて、そんな写真音メッカ鶴居村には、写真目当てで移住してくる人の他にも、近年、移住者が多いそう。平均5世帯/年くらいが流入、9割は釧路などの近隣自治体からとのこと。と、今回、町のことを教えてくださった鶴居村役場の井上さん。

井上さんと井上さんと。お世話になりました!

特別な移住施策はない。ただ、もともと工業団地として整地したところを、住宅用の分譲地に切り分けて販売したところ、みるみるうちに売れていったのだそう。釧路市まで車で20分くらい、という立地条件が功を奏した模様だが、決めては何だったのか…。まさか、鶴ではあるまい。

夢の杜団地大人気の夢の杜団地。夢の杜団地は去年だけで18区画の分譲が進んだそう

中学生まで医療費0施策を実施しているものの、多くの移住者はリタイア世代で、若い世代は少ない。酪農は初期投資が高額になるため、なかなか新規参入は進まないのが課題。従事者の現象を、酪農の機械化で補っており、生産量は微増か横ばいで推移しているという。興部町とは、また違う路線で酪農が進んでいるんだな、とあの革命的な牛乳のおいしさをふと思い出す。

町の情報館「みなくる」
より、町のことを詳しく勉強したいなら、鶴居村の図書館「みなくる」へ。ここは町の情報館(民族史旅館的なもの)も兼ねており、町の概要をはじめ、中心産業である酪農についての充実した展示がある。キャプションもわかりやすく、勉強になるのでおすすめ。

みなくる2

みなくる1村外の人向け?に村の歴史や統計資料を閲覧できるスタンドも。

チーズを学べる・つくれる楽酪館
もう一つ井上さんにおすすめいただいたのは「楽酪館」。鶴居村は酪農が盛んな割に、加工する会社がない。こちらは唯一の、村営のチーズ工房 兼 体験施設です。私たちは体験できなかったのですが、ここ!地味にものすごいサービスがあるんです!!!

楽酪館

なんと、ハードチーズ(熟成させるタイプの、あのよくあるホールの丸い塊です!)を手づくりできるんです!地元の方なら、熟成期間は毎週末ひっくり返しにきてもらうという本格派。しかも一人2,000円!人気で、予約開始後すぐにうまってしまうそう。多くの地元農家の奥さんが、自分のうちの牛乳でチーズを、ということで、朝どれの牛乳を持ち込んでつくるのだそうです。鶴居村、至高の贅沢ですね〜。遠方から来ている方でも、1ヶ月の熟成後、送ってくださるとのこと。次は予約して来たいな〜!!

熟成チーズ地元の方のチーズが大切に保管されていました

なぜか美しい鶴居村
そういえば、鶴居村は「美しい村連合」にけっこう力がはいっていました。町役場にはこんな特注カーペットとタペストリ。町の街灯にも、美しい村のミニタペストリ。「どなたか、デザインコントロールなんかに詳しい方がかかわっているのですか?」と伺ったのですが「いやぁ、特にそんなことは…」と井上さん。結局原因はわからずでしたが、なんとなくよい町並みで、なぜか人が移り住んでくる、鶴居村だったのでした。

タペストリー

鶴居村データ 

  •  酪楽館
    北海道阿寒郡鶴居村字雪裡435番地
    TEL:0154-64-3088
    定休:毎週火曜日
  • 町の情報館みなくる
    阿寒郡鶴居村鶴居東5丁目3
    TEL:0154-64-2200
    休館:毎週月曜日
  • どさんこ牧場(→行きたかったけど、今回は時間切れだった〜!どさんこライドできます!次回は絶対行きたい!!!こちらも村営。)
    北海道阿寒郡鶴居村久著呂71-1
    0154-64-2931
    定休:毎週火曜日

【ご注意】情報は日本一周をした2014年時点のものなので、掲載している施設やお店、温泉等に行く前には必ずお電話してからご訪問ください。もし、情報が古くなっていることがありましたら、ご連絡いただければ幸いです。すぐに修正させていただきます。


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