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DAY28 美しい村連合・長野県大鹿村 切り立った峠の向こうに現れる「大鹿歌舞伎」と「南アルプス」の美しい村


長野県、大鹿村(おおしかむら)。長野県の他自治体でも、「大鹿村!?すごいところに行くんだねぇ」と言われるほど、切り立った山奥の秘境です。人口は1,067人(2014年5月)、伊那郡大河原村・鹿塩村が合併(1875年)してできた村で、その名は想像の通り、「大」河原と、「鹿」塩を組み合わせて出来ています。

そんな大鹿村は、「日本で最も美しい村連合」に発足時(2005年)から加盟しています。選定のポイントは、「伝統芸能・大鹿歌舞伎」、と「南アルプスを臨む美しい環境」。さっそく、色々見て回ってみました。

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天気が良い「大鹿歌舞伎」と「南アルプス」の村

写真だとちょっとわかりにくいですが、中川村から大鹿村に向かう山道を走ると、ここの山がどれほど切り立っているのかよくわかります。

地元の方にお話を聞くと「ここは急峻な山に囲まれているからね、風がものすごい勢いで谷を巻くことがあるんだよ。代わりに、すごく天気がいいんだけどね。」とのこと。確かに、おとなりの中川村が曇っていても、ここ大鹿村は突き抜けるような快晴でした。

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歌舞伎俳優が切り盛りする旅館「明石荘」

今回泊まったお宿は、赤石荘。オーナーである多田さん(写真を撮り忘れた・・)は、大鹿歌舞伎の俳優さん。本番近くなると仕事の傍ら、毎週稽古に励んでいるそうです。経営が立ちいかなくなった村営の旅館を引き受ける形で、お父さんの代から赤石荘を営んでいるという多田さん。ご本人は、東京に出て働いた後、大鹿村に戻ってきたそうです。「東京では、カラオケとか飲み会ばっかりでね。僕は山に行ったり、魚を釣ったりすることが好きだったから、大鹿に戻ってきたんです。田舎は田舎で大変なところはあるけれど、お金のやりとりでは買えないものが色々あるから。」と、とても楽しそう。

そんな多田さんは、大鹿のことについて聞けば何でも教えてくれますが、特に熱いのはやはり「大鹿歌舞伎」について。村の中学生は皆、必修で歌舞伎を演じるというほど地に根付いたこの歌舞伎は、「農民は贅沢する事なかれ」と時の権力者によって幾度も禁じられながらも脈々と受け継がれ、村人を楽しませてきたそうです。最近では、ドイツやフランスにも公演にいくほど。なお、多田さんによると「田舎に残っている伝統歌舞伎のほうが、かえって昔の歌舞伎の姿をそのまま残していると言われます」とのこと。村人のための村人による歌舞伎なので、観光客がみるためには、村のお祭にあわせて大鹿村を訪問する必要がありますが、伝統芸能好きであれば大鹿村まで行く価値はありそうです。

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ちなみに、赤石荘では鹿肉の刺し身が絶品です。特別オーダーなので、堪能したい場合は予約時かチェックイン時に注文すべし。

子どもに大人気・村役場の宮坂さん

大鹿村について教えて下さい、という(いつもどおり)無茶なお願いに対して、「夜なら時間があるので、村のグラウンドに来てください。」と快諾いただいたのは、大鹿村役場の宮坂さん。村の子どもたちにサッカーを教えられていたのでした。
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少しお時間いただいてお話をうかがう最中も、とにかく子どもたちに絡まれる宮坂さん。大人気です。色々と、村の成り立ちから見どころ、お話を聞くべき人などを親切にご紹介いただきました。赤石荘の多田さんとひとつ違いという宮坂さんも、首都圏からのUターンだそうで、話しぶりから大鹿村への愛が伝わってきます。

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切り絵作家・柳土情さん

そして翌朝。宮坂さんにご紹介いただいた切り絵作家・柳土情さんのお宅を訪問しました。ある本には「日本のチベット」と書いてあった大鹿村の中でも最奥部に位置するとある集落。そこに、柳夫妻が暮らす古民家があります。

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抜群の眺望。人のいない美しい場所を求めて日本各地を旅し、偶然であった大鹿の奥地。それ以来、13年もの間、春夏秋冬ここに通い詰めたそうです。「これなら、住んだほうがいいんじゃない」と、14年目にして移住を決めたと言います。

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これが柳土情さんの「切り絵」。写真だけみると、素人目には版画のようにも見えるのですが・・

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「渋紙」という紙に、切込みを入れることで表現された「切り絵」です。もともと柳さんは水彩画を描かれていたそうですが、大鹿村に移住したため、お気に入りの絵の具を手に入れることが難しくなり、この切り絵を始めたそうです。

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白と渋だけの簡潔な表現が、写真や水彩画以上に田舎の情景を喚起させます。偶然生まれた切り絵はすぐに評判となり、様々なところで個展を開催したり、新聞社のカレンダーに採用されたり。「人生、何がどうなるかわからないね」と柳さん。
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ちなみに、柳さん夫妻はポスターにもなっています。

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その後は、北塩原村と同様(参考:Day22福島 北塩原村 前編:警察官から塩職人に・・)に塩分の濃い温泉から「山塩」を製造している鹿塩エリアへ。残念ながら、宿泊客でないと製塩の様子や源泉は見学できないということで、おみやげ屋でひとつだけ購入して退却。まだちょっと時間に余裕があったので「大鹿村中央構造線博物館」へ。あまりの暑さにへばっていたことと、戸外の説明だけでも充実していたため「中央構造線とは何か」をざっと理解し、謎のパワースポット「分杭峠」はパスして次なる美しい村へと向かいました。

※ちなみに、謎のパワースポットのせいなのか、大自然のせいなのか、大鹿村は多くのIターン、特にヒッピー的人々の移住で知られてもいるそうです。色々お話を聞いてみると、色々あるらしい。とやかくいう人が多いので、何があるのかは省略します。(こ)


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