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陣馬山からの眺め

DAY27 美しい村連合・長野県中川村 アクセスよし、風景よし、コンテンツ充実のおしゃれ田舎


既知のことだと思いますが、長野県には高い山脈が3本縦に走っています。北から、北アルプス、中央アルプス、南アルプス。地理の授業で覚えた、飛騨、木曽、赤石山脈という、アレです。その木曽山脈と赤石山脈の間を伊那谷(いなだに)といって、穏やかな段々の丘になっています。

中川村地図(出典:wikipedia)↑緑色の部分が中川村

中川村はそんな伊奈谷にある村の一つ。人口約5,300人*。谷の中央を天竜川が流れていることから、中川村と命名されたそうです。以前は海から塩を運んだ塩の道(伊那街道)で栄えた村。現在はりんご・梨・桃・ぶどう等の果実栽培が主な産業です。緩やかな傾斜のせいでしょうか、村のどこから景色を見ても、田畑の黄緑の奥に、青緑色の山々が連なるグラデーションが、とても美しく、絵になる村でした。

天竜川

美しい村認定理由1:陣馬形山からの景観&河岸段丘の里山風景
その美しい眺望を上から見渡せるベストスポットが陣馬形山の頂上。下からの景色とはまた違って雄大さを感じるとともに、伊那谷が河岸段丘になっている様子がとてもよくわかります。下からはずっと車で登ってくことができ、頂上は広く、キャンプ場にもなっています。私たちが訪問したときも大宮ナンバーの方が一足先にBBQを楽しんでました。
陣馬山からの眺め
美しい村認定理由2:四徳地区と四徳川の景観
四徳地区は昭和36年に大規模な地滑り災害が起こり、その後の復旧目処がたたない程だったため集落毎移住をしたという無人の地区。町の中心部からはかなり距離があるため、今回は足を伸ばせませんでした><

UIターンの多い村
まずは今回美しい村の案内をしてくださった伊藤さん。高山村「どんちゃん祭」前々日ということで大忙しの中、快く、そして的確に村の紹介をしてくださいました。伊藤さんはご祖父母が中川村出身のご縁で隔世Uターン。なんとお兄さんも同じように中川村へ。こんな素敵な村がふるさとなら帰ってきたくなるものわかる気がします。隔世Uターンの可能性を感じました。美しさとアクセスのよさゆえでしょうか、特別な移住施策があるわけでもないのですが、ここもまたUIターンの比較的多い村で、今回訪問した各店もUIターンの方が頑張っていました。

村役場の伊藤さんと
棚田米のお酒おたまじゃくしを求めて米澤酒造へ
役所からほど近く、まず訪問したのが米澤酒造さん。明治40年創業の酒蔵です。冬が仕込みの時期で忙しく、夏場の今は瓶詰め&営業。突然の訪問にも関わらず、快くご対応くださった伊沢さん。もともと工場のような大きな酒造で働かれていましたが、もっと小さな酒造で、直に酒造りに携わりたいとの想いで転職されたそうです。この酒蔵では、忙しい冬場、京都や千葉から酒職人の若い方が手伝いに来られるそう。意外と酒蔵の人材は流動的なのでしょうかね。

伊沢さんと
米澤酒造さんでは、まず、古い土蔵で米麹からつくります。冬場の保温のため、土壁のなかの藁が敷き詰められているそうで、ところどころ土壁から藁が飛び出ていました。どんなにきちんとお掃除や殺菌をしても、蔵に住み着いている菌が、ちゃーんと毎年おりてきて、醸してくれる。もちろん南アルプスのおいしい水、そして米澤酒造の為につくってもらっている地元のお米(美山錦、こしひかり、しらかば錦)があってのお酒ですが、代々住み着いている菌がやっぱり特別なんだといいます

米澤酒造の蔵
中川村の棚田産の美山錦を使用してつくる「おたまじゃくし」はラベルデザインもかわいく、楽しみにいったのですが、人気のため完売〜><ひやおろしは今年9月から出荷予定とのこと。東京にも生産の2割くらいは出荷しているとのこと、どこかで手に入るかな?(9月に東京にいないか…)

おたまじゃくし
代わりに、最近、農家さんの高齢化、担い手の減少で耕作放棄地となった田んぼを、地元の企業(建設業者さんなど)で借りて、つくりはじめたという酒米でつくられた「今錦」を購入しました。田植えや稲刈り等も、田んぼに出て一緒に作業されるそうです。

代々続いた米澤酒造さんも跡取り不在で、どうしようかと考えていたところ、美しい村連合の強力な企業サポーターでもある伊那食品からお声がかかり、つい先日、伊那食品のグループ会社の一員となったとのこと。かんてんパパで有名な伊那食品初のお酒事業。今後どんな展開をしていくのか、楽しみです^^
base camp cafeで本場スープカレー
まず、早めの腹ごしらえ。base camp cafeでカレーランチを。ご夫婦で移住して来られた伊藤夫妻、奥様は札幌出身なので、スープカレーは絶品!!!なんとこのお店、以前はa-coopだった場所を借りての営業。スーパーだったとは思えない程、素敵なカフェに変身しています。調理する野菜も、できるだけ目の前の畑で、自分たちでつくっているそうです。
base camp coffee
訪問した時には、朝の農作業を終えたのであろう、地元のおばあちゃんおじいちゃんが、そのままの格好でティータイム。その後、予約してきた地元のおばちゃん2人組も「いいって聞いたから、一度来てみたかったのよ〜。」と。お洒落ながら、地元にも愛されるスペースになっているのがわかり、うれしくなりました^^

base  camp cofee 店内
ハチ博物館
役所付近の複合施設内の一室にある異様な博物館。伊藤さんに、村のおすすめを聞いたところ、「やっぱり蜂ですかね〜」とおっしゃっていたので、そんなに気乗りもしなかったのですが、訪問してみることに。しかし、予想外に、ここで一番長居するはめに。
巨大な蜂の巣
ここには、世界一巨大なスズメバチの巣が展示されています!なんでも、蜂というのは女王蜂1匹につき、1つしか巣をつくらないのですが、この巣は144匹の女王蜂の共同によってつくられたもの!

蜂と話せる」という中川村のハチ研究家、富永さんが、蜂と相談しながら(!?)つくりあげた作品です。この制作過程の記録映像が、館内のDVDで鑑賞できるようになっていました(他にも蜂の生態についてのビデオ等、計4本、40分あまり。全部チェックして蜂について勉強しましたが、一番のおすすめはやはり蜂の巣制作記録のビデオ。)

まず、つなぎ合わせるための144個の巣を探しに、森へ。蜂の足に白い羽をつけておっかけて、巣をつきとめるそうなんですが、それを夢中で走って追いかける富永さん。少年のような富永さんの情熱に心うたれます。夢中で蜂を追いかけるあまり、途中で転んでしまう富永さん。愛を感じます。

富永さん転倒シーン
富永さんの夢は中川村を「蜂の村」として、蜂や蜂蜜のことについて学びたい人が訪問したら、なんでもわかる蜂のメッカにすることだそうです。実は今回の旅でも、多くの村で養蜂を営んでいるんだと気づきます。もっと、蜂蜜の効能が認められたり、生活の身近なものとして浸透するといいな〜と、アイディア考えているので、何か思いついたら富永さんに相談しようと思います。

丘の上のガラス工房STUDIO PREPA
役場からは天竜川を渡って反対側、果物畑の丘を少し登った高台にあるSTUDIO PREPAは平夫妻の営むガラス工房。ほとんど大口のお客さん(首都圏のカフェやアパレル)とのこと、工房では販売は行っておらず、制作のみ。一ヶ月の多くの日数、個展や出張で不在にされるという平さん。タイミングよく、お会いすることができてラッキーでした。

studio prepa お宅
工房も、横のお家もとっても素敵!!!しかし、田舎への憧れなど、そもそもこれっぽっちもなかったそうで。「広い制作スペースを求めて土地を探した結果、ここにたどり着いただけ」。全国に出張の多いお二人、決め手となったのは、高速からの近さ(中川村はインターをおりてすぐ)だったとのこと、「田舎っていっても、出張で都会にいることも多いから、不便は全く感じないし、田舎暮らしの実感もそんなにない」とおっしゃっていました。田舎に実利的なメリットを感じられるのは、アーティストならではかもしれませんね。

studio prepa平さんと

地元おばちゃんたちの「つくっチャオ!」
次に立ち寄ったのが、地元スーパー「チャオ」と、その横の「つくっチャオ!」。つくっチャオ!は、地元の果樹農家さん約20戸の組合が持つ加工工場。店内の製品は全てここで加工されたもの。それだけでなく、近隣の小規模市町村のものまで請け負っているそうな。おばちゃんたち、精力的です!
つくっチャオ
おばちゃんのおすすめは「メイポール」のジャム。りんごは異種交配の植物なので、受粉だけのための木というのがあるそう。その木になる小さくって酸っぱい、でも中まで赤いリンゴがメイポール。ラベルは北山農園の息子さんが描いたものなんですって。これも可愛い^^

メイポール
新規オープン野菜&雑貨の「たろう屋」
たろう屋さんは元々車で数年間、野菜や有機食材の移動販売をしていたそう。満を持して店舗を構えたのがこの4月!オープン3ヶ月のお店です。それまでの経験もあってか、お店が古民家のせいなのか、すでに風格があります。
たろう屋外観
立地については、「有機野菜や自然食のお店は両隣の町にはあるけれど、中川村にはなかったから」というマーケットを考慮しての選択。住居は10分程離れた隣町だそうです。
たろう屋内観

たろう屋番犬番犬の名前はたろう君ではなく、お店のご主人の名前がたろうさんだそうです。

まとめ
中川村は、どこを見回しても、なんとなく美しい。本当によい風景の村という印象。長野の美しい村連合7つのうち、最初に巡った村でしたが、ここで初めて、町の背景にある美しい山々の威力を感じました。雄大な山がバックグラウンドにあると、町並みなど、とってもちっぽけなものに見えて、全体がよく見えるもんなんですかね。中川村の場合は、更におしゃれなカフェあり物販あり、アクセスよしで、都会の生活から違和感なくはいっていけるようなハードルの低さを感じた村でした(もしかしたら今回は若い人にばかりお会いできたからかもしれませんが…)。

中川村の風景

*2010年国調ベース

  • case camp coffee
    長野県上伊那郡中川村大草2145-3
    TEL:090-9747-1645
    OPEN 11:00-17:00
    CLOSE 金
  • ハチ博物館
    長野県上伊那郡中川村大草4489
    TEL: 0265-88-2033
    OPEN: 午前9時-午後5時
    CLOSE: 毎月1日間(不定期)
  • STUDIO PREPA
    上伊那郡中川村片桐5902
    TEL: 0265-88-4228
  • つくっチャオ!
    長野県上伊那郡中川村片桐 3919-2
    OPEN: 10時~17時
    CLOSE: 水曜日
    TEL/FAX: 0265-88-3983
  • たろう屋
    上伊那郡中川村片桐2877-4
    TEL: 0265-88-4111

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