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おやき村

DAY32-1 美しい村連合・長野県小川村 明治時代の石張り水路、農業女子、古民家ゲストハウス、おやき村…本州のヘソには見所が集まっていた


人口約2,800人(2014.7.1.国調推計人口)。最近、この数字を見ても「お、ある程度大きい」と感じるようになってきてしまった。東京の巨大な団地なら、1つでこれくらい収まってしまう数なのでしょうが…。

小川村位置(出典:wikipedia ↑北部の濃い緑の部分が小川村)

野焼き中の勤勉なおばちゃん達
池田町の親切なカフェの奥さまに、「小川村だったら、朝一の眺望が本当に素晴らしいから是非いってごらん!」と教えてもらい、眠い目をこすりつつ、朝5時に起きて出発!のはずが、ちょっと寝坊して6時スタートで、アルプス展望台を目指して車を走らせる。と、なにやら妙な霧が立ちこめてきた…(写真上部)朝の小川村

…と思ったら、犯人はこのおばちゃんたち!「なにしてるんですか〜?」と、近づくと、野焼きをしているところでした。ここは農家のお母さん達の婦人会のみなさん共同で持っている畑。各家の作業が始まる前にこうして集まり、野沢菜を育てている。これを漬け込み、直売所で販売。そこででた利益で、年に何度か、研修旅行にいくのだそうで、この前は小布施のワイナリーに見学に行ったのだとか。野焼き中

日本一周しているんだったら、他の場所と比べて、小川村の足りないところもわかるわね。気がついたら教えてね。」と、あめ玉を4つ、持たせてくれた。朝っぱらから、その向上心にビックリ!作業が終わると、持ち場へ帰っていく…。昼は暑いので、農家は朝が勝負。都会でも流行りの朝活。先輩たちは6時から普通に働いてました。
婦人会の方々
アルプス展望台からの絶景!
朝焼けで染まってはいなかったものの、アルプス展望台から眺める早朝の山々は清々しく、本当にきれいでした。池田町からは端っこに見えていた五竜岳がここでは真ん中に見えます。道を間違えたりして、この日は、この坂をあと2回くらい登るはめになりましたが、午後になるとやっぱり雲がでてよく見えなくなっていました。朝がおすすめです!
小川村からの北アルプス
薬師沢石張水路工ウォーク
続いて美しい認定理由の一つ、薬師沢石張水路工(いしばりすいろこう)を見学に。こちらは、明治時代、地滑りに悩んでいた村の人々が、彼らの手でつくった石積みの水路。68年間にも渡って何度も工事を行い、途切れ途切れではありますが、約1.3kmの水路が残っています。水路が美しいポイントとは、渋い、と思いましたが、行ってみれば遊歩道も整備されており、気持ちのいいお散歩コース。薬師沢2

薬師沢石張水路工(出典:小川村教育委員会)

散策前に、まず入り口にあたる、味大豆(あじまめ)地滑り観測センターにて、このかわいいパンフをゲットしましょう。散歩が3倍くらい楽しくなります。石張水路工マップ

現在は耕作放棄地となりぼうぼうになっている棚田もちらほら。当時、棚田の間を縫って水路が張り巡らされている様子は、きっと壮観だったんだろうな…先人達の苦労を思うと、少し寂しい気持ちになります。当時、住民から砂防惣代(そうだい)を選挙で選び、国に工事費の陳情を行う際等の代表役となっていた。それが、120年経った現代まで引き継がれており、現在の砂防惣代27代目は小林徳文さんが努めていらっしゃる。草刈りや水路の周りの景観整備が主な仕事だそうです。
薬師沢

農業女子達との出会い
ぐるっと散歩して帰って8時くらいだっただろうか。何やら、妙に若い女性2人が、麦わら帽子に長靴の農婦スタイルで農作業をしている。訪ねてみれば、お二人とも小川村の地域おこし協力隊員。増井信子さんと祖母井陽子さんでした。週末にイベントで子供が来る準備をしているのだという。2/2,800の確率で、まさか協力隊の方と会えるとは〜!!
協力隊員の二人とお2人の車で、先の27代惣代の徳さん(と呼ばれているようです)が飼っているレンタルヤギのところにも連れて行ってもらいました。夏の間だけ、除草のため借りているものなんだとか。急坂のくねくね道を軽ワゴンで軽快に運転する増井さん。運転を覚えたのは協力隊員になってからという。しかし、「まだ私なんて甘い。じいちゃんたちの運転は、惚れる程うまい!」という。作業でお忙しいところ、色々お話をお聞きし、アテンドまでしていただき感謝感謝。早起きは、本当に三文の徳なり。
レンタル羊
日本の重心(へそ)
続いて、協力隊員の連携プレーで、もう一人の協力隊員さんが運営する古民家ゲストハウス臍へ!…と思ったら、道を間違え、日本のヘソ(重心点)へ迷い込む。日本のヘソには謎のオブジェがならんでいました。重心点は、ロープがつながっている向かい側の山の中のようです。ロープを引っ張って、臍とのつながりを確かめてください。と書かれていました…ふぅむ…
日本の臍
ゲストハウス臍(へそ)
再チャレンジで、無事ゲストハウス臍へ。横浜ご出身という中尾さん。「別にゲストハウスをやりたかった、という訳ではなく、小川村の魅力を知ってもらうには、こうして田舎暮らしを実際に体験してもらうのが一番だと思って。」とのこと。

田舎暮らしの想定外の苦労は?とお聞きすると、家の周りでは少し畑もやっているそうで、いつの間にか近所のおじいちゃんが畑を偵察にきて「あれはかれちまってる」とか「雑草がぼうぼうだ」とか、プレッシャーをかけてくることだという。愛されてますね。笑
ゲストハウス臍
古民家に、カウンターキッチン。つるさがってるグラスが楽しげ。
キッチン壁には日本百名山のピンバッチコレクションを発見!登山好きには、北アルプスとともに暮らせるこの村は悪くないだろう。(そしてこのピンバッチ、美しい村連合でもつくりたい!)
百名山バッヂ玄関には、使いやすくアレンジされたいろりとおやきを焼く「ほうろく」という鉄鍋。土間には譲ってもらったという釜戸、つくったピザ釜。子供達が一番喜ぶのがこのスペース。都会の小中学校の課外授業でやってくる子達にとっては、火が珍しいんだという。面白いものに反応するもんですね〜。
いろり
ふたりゼネコン河田夫妻
これまた、カフェ風のいろさんで「小川村にいくなら、0から自分で家を建てている河辺さんという、おもしろいお客さんが来たことがあるので、訪ねてみては」と紹介していただいていた。中尾さんに聞いてみると、村でもやっぱり有名人のよう。「わかりにくいから、ご案内します。」と、またもや軽ワゴンでつれていってもらった。恐縮です…。
製材機そこには、想像を絶する手づくり感が待っていた!なんと、森林を伐採して整地するところからはじめ、切った木を乾燥させて、製材。それも、なんとヤ○オクで買い集めた機材で、オリジナルの製材機までつくっていらっしゃる。

もみの炭こちらは、断熱材となるもみがらを灰にしているところ。もちろん、この炉も一斗缶からつくったオリジナル。

井戸掘りそして驚いたのが、なんと井戸堀り機まで手づくり!!!もともと河辺さんはゼネコンのご出身とのことで、やや納得感はあるものの、もちろん木造住宅の経験はない。それでも、「だいたいネット(特にyoutube)を参考にしながら全部できる。」という。奥様とおふたりですべてをこなす、まさにふたりゼネコン。本当にたまげた。強者すぎる…またお家ができたら是非お邪魔させてください!!

小川夫婦と
道の駅 おがわ
小川村には、前出の味大豆という地名があるとおり、品質のよい「西山大豆」が名産とのこと。なんでも青みがかっている豆だそうで、道の駅でその豆腐が購入できるというのでよってみた。確かに、豆腐も薄く緑がかっている!今回訪問できなかったのですが、町の中心近くに「豆副亭」という、この大豆をつかった無添加の味噌・醤油加工工場があるらしく。またチャンスがあればいってみたいな。

西山豆腐

おやき村
そしてクライマックスは、おやき村!何を隠そう、ここはおやき発祥の地(というか、家庭のものだったおやきを売り出し始めたということ、かな。)その噂は出発前、東京にいるときから聞いていた。が、こちらもまた、期待を裏切らないところでした。中に入ると、レストランと、おやき専用の小民家風の棟に別れています。それもそのはず、巨大ないろりで薪を燃し、もうもうと煙が立ち上がっている。茅葺きのような屋根も、壁までも真っ黒。おやき村

プロのおばちゃん&おじちゃんコンビが焼いてくれたおやきも美味しいですが、たった500円でおやきをつくるところから体験させてもらえます。これは、やるしかない。いっぱいの具(今回は野沢菜と味噌なす)を、柔らかい小麦粉の生地をのばしながら包んむ。
つつむ 包んだら、巨大な「ほうろく」で軽く表面を焼く。表面がかたくなったら、「渡り」(いろりの周囲においてある脚付きの太い金網のようなもの)に移して、あとは焦げないよう、くるくる回しながら、じっくり周囲も均一に焼いていく。ほうろくだいたいつくり始めてから30分くらいでできあがり。案外時間がかかる。おばちゃんの手づくりの漬け物と味噌汁とともに、いただきます。正直、おやきにはべちょっとした、歯にくっつくイメージがあり、そんなに好きではありませんでしたが、これは別物!!おやきが苦手な人、ここで食べたらおやきの概念変わります。本当に美味しい。
煙が目にしみるおばあちゃんに、いつからおやきをつくってるんですか?と聞いたところそりゃあ、生まれたころからだよ。」と。おやきができたのも、やはり急峻な地形でお米ができず、小麦文化だったため。いろりもなくなってしまった今の子供達にとっては縁遠いものかもしれない、と思って聞いてみると「今の子だって、み〜んなつくれるだよぉ。うちの孫だって、私がつくってれば手伝ってくれるよぉ。」と。心配をよそに、伝統は受け継がれていた。

まとめ
そういえば、今になって気づきましたが、この村では観光マップを一度も使わなかった。それどころか入手もしていない。それは、出会った人々にすべてご案内してもらったから。幸運な出会いが続いた村だったなぁ。それにしても、人口が少ない小川村のような自治体において、地域おこし協力隊の存在感はものすごい。それを目の当たりにした村だった。みなさん、本当にお世話になりました〜!

  • アルプス展望広場(駐車可)
    小川村稲丘7044 (いつでも入れます)
  • 薬師沢石張水路工
    長野県上水内郡小川村大字稲丘
    (住所らしきものが検索できないので、ひとまず稲岡東区生活改善センターを目指して車をすすめましょう。近づけばわかると思います!)
  • ゲストハウス臍
    小川村瀬戸川5000
    TEL:090-9327-1254
  • 道の駅おがわ
    長野県上水内郡小川村高府1502−2
    TEL:026-269-3262
  • おやき村
    長野県上水内郡小川村高府6937
    TEL: 026-269-3767

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