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南町水路

DAY40-1 重伝建・岐阜県郡上八幡 清流ながるる城下町は40日間踊りつづける、町民みなダンサーの町だった


郡上八幡(ぐじょうはちまん)。かっこいい響きで、なんだか行ってみたかったんだけれど、私はこれまで、グジョウハチマンが自治体名なのか、どんなエリアを指すものなのか、よくわかっていなかった。どうでもいいけれど、調べた結果、郡上八幡とは、2004年の合併までは、郡上郡八幡町という基礎自治体、現在は合併して郡上市の一部の八幡町となっているようだ。う〜ん、こんなネームバリューのある町で、独立を守らなかったとは、どんな合併のいきさつがあったんだろう。

郡上市位置情報(出典:wikipeda)

八幡町見取り図
さて、郡上八幡に到着。こちら、有名なだけあって、ちゃんと庁内に観光客用のパーキングがある。私たちは町の中心付近にある、観光協会裏手の駐車場に停めた。町内に入ると、卯建(防火壁)のついたレトロな町並みが広がっていて、さっそく重伝建地区!と思いきや、どうやら重伝建に認定されているのは、吉田川(地図中央)を挟んで上(北町)と下(南町)に別れるうち、北町の方だという。

郡上八幡マップ(出典:郡上八幡観光協会HP

北町散策
さっそく北町を歩いてみる。道の両側に用水路が続いている。保存会がこの用水路をとても大切にしているようだ。町の至るところに、用水路の標語がぶら下がっている。「水の町 心がはえる 用水路」など。ゼキという板をつかって、水の向きをコントロールし、家に水を引いたり、出したりしたということです。

用水路北町を北に向かって歩いて行くと、右手には郡上八幡城が、小高い丘(山かな)にからこちらを見下ろしている。しかし、これは廃藩置県の際に廃城になり、昭和8年に大垣城を模して再建されたもの。再建といえど、昭和8年の木造なら、そこそこ馴染んでいるだろうけれど、暑過ぎて上に登るのは諦めた。が、上から見下ろした町はとても美しいらしい!下から見たときは、このような味気ない建物に阻まれてやや残念である。

郡上八幡城
東から西へ、ジグザグ通りを歩きつくすと、通り毎にカラーが違うことに気づく。西の方の職人町の方にはお寺が多く、なぜか歩いている人も多い、明るい印象。水船も表にでているのを発見しました。水船とは、湧水を引き、2〜3層の段々に木の箱に流してつかう生活用水。最初の水槽が飲料や食物を洗うのに使われ、次の水槽は汚れた食器などの洗浄と、別れているらしい。最近では、観光客の水飲み場として解放してくれています。

水船
重伝建にとって、火災は大敵。防火にもちからがはいってますね。

職人町宗祇水(そうぎすい)
生活用水の代表格。郡上八幡の観光名所の一つ、宗祇水。室町時代に連歌歌手、宗祇が郡上八幡を訪問。当時の領主だった東氏が宗祇を見送って一句詠んだ場所らしい。ここも、水船同様、何層かに別れ、役割分担された生活用水。
宗祇水
宗祇水の続く先は、長良川。おお、重伝建とは違う意味で、なんだか壮観だ。長良川がガンジス川に見える…
長良川

南町散策
次に南町へ。南町は南町で、風情のある建物が結構残っている。が、こちらの方が、規制も少ないためでしょうか、商店も飲食店も多く、活気があります。新しく整備されたものですが、南町にもいくつか素敵な水路が。なぜ、北町だけ重伝建の指定対象になったんでしょう。誰かに聞いてみればよかったなぁ。
南町水路
そろそろ、お腹が減ってきた。岐阜に行ったら「ケイちゃん」なるものを食べなければ…と、長野県を巡っていた頃から、ことあるごとにつぶやいていた彼の熱意に免じ、ケイちゃん屋を探すが、本日は悉く休業…。仕方なくやきうどんを食べる。

 

焼うどんやさんに張ってあった張り紙。メニューかとおもったら「平成26年度 郡上踊り日程表」と書いてある!!!八幡町では、7月下旬〜8月の40日ほどの間、毎晩、この町のどこかで郡上踊りが踊られるという、驚異的な踊り好きたちの町なのだ。が!たまたま今日だけは、踊りもお休み…。何かに取り憑かれているのではないかと思うほどの、定休日の嵐。

やきうどん

郡上八幡博覧館
仕方ない。ここまで来て、郡上踊りを観ないという訳にもいかない。午後は1時間毎、踊りを実演しているという、博覧館に行ってみることに。

資料館この博覧館、町の歴史展示については、いまいち。断片的すぎて、全体像がわからないのでおすすめしない。日本の歴史は教科書レベルくらいしかわからない私にとっては、登場人物にマイナーな人が多いからだろうか。東氏、遠藤氏、等がこの町を納め、城を築いたらしい。そして、歌を詠むなど、風流だったようだ。唯一、認識できた人物は山内一豊。彼の奥さんが近江出身とされており、郡上ではないか、という説があるということであった。肝心の郡上踊りについても、歴史に関する展示はない。

郡上踊り(出典:郡上おどり公式サイト

が!郡上踊りはおもしろかった。踊り子さんが並んで実演する踊りを見られるわけではなく、観客の方が、郡上踊りの手ほどきをうけられるショーなのだ!それもそのはず、郡上踊りは、音楽が流れ始めたら、観客も踊り子もなく、皆一斉に踊り始めるすごい踊りらしい!郡上踊りは全部で10曲。実演では、一番ポピュラーな、2曲「かわさき」と「春駒」を、とてもわかりやすく解説してくれる。この講習を受けてから、夜、郡上踊りにぜひ混ざってみたいものである。

博覧館パンフ

そしてもう一つ。郡上でちらほらみかける、食品サンプルの体験ができるお店。なにを隠そう、このプラスチックの食品サンプルをつくる技術は、この町出身の、岩崎龍山氏によって編み出されたのだそうだ。博覧館には、その解説があった。この食品サンプル、私たちには至って身近な存在だが、外国人にとってはものすごく興味深いものらしい。外国人の友達をつれていったら喜ぶだろう。食品サンプル

まとめ

総じて、私は南町の方が雰囲気が好きだった。あと、領主の交代劇や連歌も重要だと思うけれど、こんなに踊り好きの町は、日本に類を見ない。この町の、ものすごい文化であり、特徴である。だから、むしろ、その庶民の歴史や、踊りの成り立ちをフィーチャーしてくれたら、もっとおもしろくなりそうだ。まぁ、そんなに無理せずとも、みんなで踊れば、きっと観光客もこの町の虜になってしまうことは、疑いがないのだけれど…

 

 

 


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