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つちのこ姿焼き

DAY42 美しい村連合・岐阜県東白川村 つちのこ目撃証言多発地域!寺のない神道の村で白川茶を愉しむ


東白川村(ひがししらかわむら)は白川郷で有名な白川村の隣、ではない。結構離れている。岐阜県には白川村と白川町があり、東白川村は白川町の横にあるのだ。ちなみに、白川町には、もちろん白川という川が流れているほか、黒川と赤川も流れているとのこと。

岐阜県(出典:東方観光局 旅の入り口

寺がない村
東白川の美しい村認定理由は、白川茶文化、東濃ひのきの里。東白川村は、その他にも、もうひとつ、おもしろい特徴があります。それは、日本で唯一、お寺がひとつもない自治体であること!神道の村なのです。今回、東白川村をご案内いただいた河田さんも、(たまたまではありますが)宮司さんを兼務されていらっしゃいました。

河田さんと

明治期の廃仏毀釈というのは、全国で行われましたが、地域によりけっこうその度合いに差があったようです。東白川村は相当厳しく行われたとのこと。現在でも当時の様子を残すものとして、「四つ割の南無阿弥陀仏碑」が、役所前に立っています(役所のある町の中心部は神土という名前)。政府の命により、この碑を壊さなければならなかった村の人は、綺麗に4つ割にして、池や畑の脇石としてつかっていた。そこへ、昭和に入ってから疫病が流行り、石仏のたたりとして、もう一度ここに建てられたということです。

四つ割の南無阿弥陀仏碑

東白川茶
河田さんに連れられ、まず白川茶発祥の地を訪問。室町時代に蟠龍寺(ばんりゅうじ)の住職が京都から茶を持ち込んで生産が始まった。廃仏毀釈で寺はないが(実は村民と仲が良くなくその前に寺を後にしていたらしい)、その立派な石垣が残っている。ちなみに、ここからの景色は村の美しポイントno.2となっている(美しポイントマップは役場でゲットできる。)

白川茶発祥の地

一時は村にいくつかあった製茶場も現在は2つ。その1つがこの周辺の五加集落にある。五加集落では、無農薬の茶栽培(というのは非常に難しく、私の出身静岡でも取り組んでいる茶農家は数少ないと聞いている)に力を入れており、集落共同で無農薬茶の製茶場をもっているのだ。村の茶の生産が、全国の茶生産に閉める割合は1%以下だが、独自路線に活路を見出そうという努力なのかもしれない。
蟠龍寺

五介の滝
次に訪問したのが五介の滝(ごすけ)。五介とは、有名な山賊で村人を困らせていたた。時に、鉄砲の名人として名を馳せていた又右衛門に五介征伐の命が下った。洞穴で手下と酒盛りをしていた五介めがけて、又右衛門が鉄砲を発したが、五介は箸でその弾を受けた、というのがこの滝。よーく探すと、五介の碑が発見できる(写真の中にはないですよ)。東白川にはこの他にも、いくつか滝があり、村の真ん中を通る白川へ注いでいる。

五介の滝

FSCの東濃ひのき
次に訪問したのが、東濃ひのきの母樹林(母樹とは、ひのきの苗を育てるための木のこと)。東白川の森林組合は業界(?)の中ではその先進性が有名で、若手の応募も多いんだとか。その取り組みのひとつとして、FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)認証がある。FSCは「森林の環境保全に配慮し、地域社会の利益にかない、経済的にも継続可能な形で生産された木材」に認証を与える国際機関。この認証のある木材を使えば、間接的に環境保全に貢献できるという仕組みになっている。

FSCの森2
サントリーが、木曽川工場の水源涵養エリアとして協賛しており、NPOが主体で、森中を美術館にみたてたイベントを開催したり、今は間伐材を薪ストーブに使えないか、実験に取組中だそうです。

FSCの森

FORESTYLE
森林関連でもうひとつ、注目の取り組みが、FORESTYLE事業。FORESTYLEとは、いわば、東濃ひのきを使った木造の家造りのプロデューサー的な役割を果たす3セクの会社だ。webサイトでは、自分の希望の間取りの家を選択することで、概算を算出できる。それに基づき、好みの設計士さんや、大工さんをコーディネートするのがFORESTYLEの役割。もちろん、建材は東濃ひのきである。東濃ひのき活用のために設立され、そろそろ民営化できるのではないか、とのこと。
forestyle

道の駅と新世紀工房
3セクといえば、もう一つ、東白川村にはとってもセンスのいい新世紀工房という3セクがある。業務のひとつとして道の駅の運営をしており、商品開発から携わっているという、その道の駅の品揃えが秀逸。パッケージデザインがみなとても素敵で、お土産選びに迷ってしまう。東白川茶@道の駅

道の駅に併設の工場で、製茶業もしており、小さな、しかし、本格的なお茶スペースもある。お茶の品評会用にだけ、1年で8kgしか生産しないという「極」というお茶をいただいた。針のように細く、光沢のある茶葉。色は結構うすいわりに、味がきちんとする。慌ただしい旅の中、久々にちゃんとした温度で、ゆっくりとお茶を味わった。

東白川茶茶室@道の駅
東白川村は約9割が山林であり、耕地面積が少ないため、「山間地等直接支払制度を適用し、特に農業に不利な地形の地域における、耕作放棄地の増加を食い止めている。直接支払いとは、市場を介さず、国から生産者に直接交付される補助金のことで、ヨーロッパでは農家を支える主要な施策らしい。新世紀工房では、その補助金を活用し、農家が共同で利用できる機器を購入。農繁期には収穫作業にあたるなど、地域の農業組合と連携し、農業の効率化を測っている。これは一人一人が補助金を受けるより、レバレッジをかけられる、よいアイディアである。つちのこ姿焼き

また、製茶園だけでなく、ソーセージ等の加工工場も併設。ツチノコ姿焼きも食べられる!新世紀工房の業務は非常に多岐にわたるが、地域を支える重要な役割をになっているようである。

白の命

ついでに、道の駅で購入できる低温殺菌の飛騨牛乳も紹介。東白川村のプロダクトではないが、これは、北海道以来のおいしい牛乳だった!引き返して購入することを検討した程。新世紀工房のセレクション、恐れ入りました。

ツチノコ日本一
なぜツチノコか?実はこの東白川村、日本で最もツチノコが頻繁に目撃されている地域。世界でたったひとつのつちのこ館があり、つちのこの生態について、これまでの目撃証言や研究者の推論等の展示がある。つちのこ館また、年に一度、村を上げてつちのこを探す、つちのこフェスタも開催される。賞金は一年に1万円ずつアップしており、現在125万円までアップしているそう。つちのこの生息状況など、事前につちのこ館で学習の上、参加されたい。

つちのこ館の部屋

お食事処
さて、最後に紹介したいのが白川村のお食事処。もちろん道の駅でも喫茶があるし、眺めがよい、という味彩も紹介していただいた(↓味彩。事前に予約すればパン造り体験等ができる)

味彩しかし、なによりもおすすめは、白川茶屋。こちらは地元の婦人会のおばちゃんたちが地元のお料理を出してくださる食堂だ。きっとどなたかお料理上手の監督がいらっしゃるのだろう。何を頼んでも、過不足ないおいしさ。白川村の名物の朴葉寿司を1つ頂こうと思って、おやつに立ち寄ったのだが、あまりの美味しさに、あれも、これも注文して、結局早めの昼ご飯にしてしまった。さすが、茶所、食事についてくるお茶も急須で、近くのポットでおかわり自由になっているのも嬉しい。

朴葉寿司とは、朴葉に酢飯をのせ、あれこれ、野菜やお肉をのっけたおにぎりのようなもの。朴葉の殺菌作用を活かし、農繁期のお弁当として、生活にとりいれられてきた。中身は、混ぜご飯にしたり、のせるだけだったり。地域でスタイルが異なるそうだ。

朴葉寿司

そして、夕飯は人気の地元居酒屋「白草」で。まだ夕方だったが、別れ際の河田さんの「白草のケイちゃんは、違うよ」という言葉に、ついつい、立ち寄ってしまった。白草の特徴は、若鶏ではなく、むしろ卵を産み終わった、ひねどりを使用しているところ。なかなか弾力があって、おいしい!…これも、おやつのつもりが、2枚追加で満腹になってしまった。 ご当地モノに極端に弱い私たち…。

白草

まとめ

東白川村は、こう書き並べただけでもわかる通り、なかなか全て見て回ると忙しい。コンパクトながら、意外と見所も多く、食べるべきものも多い村だった。つちのこフェスや、FSCの森のイベントに合わせて訪問してもいいし、定期的に保存会が公演を行っている白川村歌舞伎も面白そうだ。FOREATYLEや森林組合等、新世紀工房等、観光だけでなく、自立の仕組みも着々と準備されているところが、ひと味違う村だった。

 


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