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足助

DAY52 三河と信州をつないだ「塩の道」、愛知県唯一の重伝建「豊田市・足助」


愛知県民である僕にとって、足助といえば、紅葉で有名な「香嵐渓」である。(同時に、「ヘビセンター」という単語も頭に浮かぶ。こちらは行ったことはないし、今はもうないけれど。)

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香嵐渓の紅葉:豊田市観光協会WEBサイトより

ついついローカルな話題に及んでしまうほど身近な場所、足助*。だからこそ、足助が重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)に指定されていると知って、僕は随分驚いた。散々川で泳いだりしていたくせに、町並みなど一度も拝んだことがなかったからである。

“*足助(あすけ)は旧足助町で、今は吸収合併されて広大な豊田市の一部。

三河と信州をつないだ「塩の道」

足助は2011年に「商家町」として重伝建に指定された。商人の町、ということだけれど、雰囲気としては宿場町っぽいところもある。それは、三河と信州をつないだ「塩の道」沿いであったからかもしれない。

忘れがちな事実ではあるけれど、塩は人間が生きていく上で欠かせないもの。そして、日本においては僅かな例外(北塩原の山塩など)を除けば、どんな秘境・山奥に生活していても、「海塩」を手に入れる必要があった。

信州には海がない。そこで愛知県(三河や知多半島)で作られた塩を仕入れる必要があった。塩を積んだ馬や商人が行き来した道、それが塩の道である。足助は、この中継地として栄える。

おそらく我が郷・吉良町で作られた塩もその中には含まれていただろう。海辺で作られた海塩は、三河を通る矢作川をさかのぼって今の豊田市で陸揚げされ、足助の塩問屋に運ばれた。

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足助の道・足助塩直し:足助観光協会WEBサイトより

足助で製塩されたわけでもないのに、「足助塩」と呼ばれる塩がある**のは、ここで重量を揃えるための詰め直しがあったからだという。天保年間(1830~43)には、塩問屋が14軒もあったという。ちょっと多すぎる感じもするけど。

**宇治で作られていないけど、宇治でブレンドされるから宇治茶、のお話にやや似ている。(和束町のお話

これも余談だけれど、塩の道はいまでも「JR飯田線」という路線が通っており、秘境鉄道マニア(と旅行者)を楽しませている。

快晴の足助を歩く

快晴の足助町。月曜日だったせいか、全てのお店や案内所が休みだった。でも、天気が良ければ町歩きはそれだけで楽しい。ひたすら重伝建指定地域を歩く。

足助町

この橋を渡ると重伝建地区。

足助町

とにかく天気がよくて、気持ちがいい日。

妻入りの足助

足助には、妻入りと平入り(違い:wikipedia)の家屋が混在している。商家町はわりと平入りの家が多いので、ちょっと新鮮。

足助

高台から足助の町並みを眺める。ものすごく古い町並みを感じるわけではないけれど、落ち着いた生活が想像される、ゆったりとした景色。

鬼瓦

高台横に突然表れる巨大な鬼瓦(?)。

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小路もちょこちょこある。

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中心の一角を離れれば、すぐに普通の住宅街が表れる。これはこれで、散歩にはよい。とにかく天気が良ければ、なんでも楽しく思えてくる。

足助銘菓?もみじの衣揚げ

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香嵐渓のヘビーユーザーにとっては定番のお土産だが、知らない人には驚かれる足助銘菓「もみじの衣揚げ」。名前のとおり、もみじがそのまま唐揚げ(衣揚げ)になっている。これを見た人の多くのリアクションは「えー、紅葉なんて食べられるの??」となる。

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もみじの衣揚げ:ぐるたびより

名前の通り、衣をつけて揚げられた紅葉(もみじ)。「紅葉」と称して紅葉がかけらも入っていないものとは一線を画す食べ物である。ちなみに、気になる味はほぼ「かりんとう」です。

祖父がよく購入してきたこれが好きだった僕は、初めて広島の紅葉まんじゅうを食べて戸惑ったことがある。今でも僕はあれを紅葉まんじゅうと呼ぶことにちょっと躊躇があります。

足助

町の中心を川が流れる足助。川沿いの家屋群もまた独特の景観をみせる。

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これまた休みだったけれど、レンタサイクルもやっているらしい。重伝建指定を機に、まちづくりに取り組んでいる様子がうかがえる。

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経済的繁栄や便利さの代償として、愛知県には、「古き良き町並み」が少ない。そのひとつである足助には、ぜひともその良さを末永く保ってほしい。これにてcoinacaの旅、第2クール終了。いったん海外出張へ。(こ)

※紅葉の季節、足助周辺の道路はめちゃくちゃ渋滞します。町並み散策が目的なら、この時期は避けるのが上策です。


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