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DAY70-2 重伝建・安芸市土居廓中(どいかちゅう)にて岩崎弥太郎の生涯に想いを馳せる


武家屋敷が立ち並ぶ安芸市・土居廓中

馬路村に夢中になりすぎて、到着することには夕暮れになっていた高知県安芸市・土居廓中(どいかちゅう)。2012年と、比較的最近登録された重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)である。

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ここは「武家町」としての指定となっており、ほど近くの室戸市吉良川町(在郷町)とは、趣がずいぶん異なる。比較的軒を連ねて賑やかな雰囲気の商家町(在郷町)に対して、武家屋敷はひとつひとつの敷地が広く、垣根や石垣で区切られているのが特徴。とても静か。

廓中ふるさと館

土居廓中ゾーンの中心に、「廓中ふるさと館」というお土産屋兼お食事処がある。ここのご飯がなかなかである、ということを室戸の蜂谷さんにうかがっていたので、閉店間際に駆け込み「かき揚げちりめん丼」と「なす丼」を注文。ここのイチオシはちりめんとナスらしい。

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こちらはかき揚げちりめん丼。すごいボリュームである。

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名前を忘れてしまったが、こちらは麻婆茄子丼的なもの。どちらもボリュームだけでなく、味もよかった。土居廓中・武家屋敷めぐりの前後によるにはよいお店である。ちなみに、蜂谷さんの青のりも売店でみかけた。さっそくいくつか購入。

もうひとつ、僕らは未挑戦だけれど、廓中ふるさと館に隣接している「シャーベット茶屋」では、「焼きナス」や「ピーマン」テイストのシャーベットを提供している。決してハーゲンダッツは提供しないであろう大人向けのセレクション。ナスは美味しそうだけど、ピーマンはどうなんでしょ。

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ふるさと館の目の前に立ち並ぶハウスでは、ちゃんとナスが栽培されていた。

土居廓中武家屋敷めぐり

土居廓中の重要伝統的建造物群は、域内に散居している。九州の重伝建のように武家屋敷がずらーっと並んでいる、という様子ではないのだが、その分、住んでいる人の気配と歴史のうつろいを感じられる。
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土居廓中地図:黒いところが伝統的建造物 安芸市WEBサイト

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土居廓中の地図をみると、真ん中上にいかにも山城があったであろう小山がある。ここに鎌倉時代、土豪が城を構えた。その後は四国の英雄・長宗我部氏を攻めたり攻められたり。江戸時代には土佐にはいった山内氏の家臣、五藤氏が城主となった。この時には山の上ではなく、城は麓にあったらしい。

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現在、城跡は資料館となっている。

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まちの特徴は、室戸市吉良川町と共通するところが多い。石をかわいい感じに積み重ねた「いしぐろ」や、水切瓦。ただし、生け垣があったり、門構えなどが外からは見えないようになっているのは武家屋敷ならでは。

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ちょっと写真が暗いけど、どこまでも続くようなまっすぐの道と生け垣。武士が住んだまちの区画は、ずいぶんきっちりしている。平地や山村の農村集落とは全く異なるシステムのもと、運用されていることが伝わってくる。自然をベースに作られている農村とは対照的に、抽象的かつ概念的にまちの有り様が決定されている。

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ちょっと味のないコンクリート塀も、隙間を利用するとキャンバスに。生け垣は管理が大変らしくてコンクリート塀にする人が多いというけれど、これならありかも。

安芸市といえば、三菱財閥の祖・岩崎弥太郎

近代日本最大の財閥・三菱の祖、岩崎弥太郎の生家は土居廓中から車で少し行ったところにある。(歩けなくはないと思うけど、結構たいへん)

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これが、門の外から見た生家。といっても、岩崎弥太郎が財を成したのは当人の代なので、実際に生まれた時と比較すると、当然増築などされている。

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ご当地特有の水切瓦がみえる。かなり敷地は広いものの、彼が築いた財産と比べればめちゃくちゃなサイズではないし、茅葺家屋を中心とした穏やかな佇まいでさえある。

岩崎弥太郎は、あまりにも大成功しすぎたゆえに、ちょっと嫌なヤツとして描かれることが多い。司馬遼太郎の『竜馬がゆく』でも、初登場の紹介は「安芸の農村に、とてつもなく性格の悪い親子がいた」みたいな感じだったと記憶している。(それはまぁ事実かもしれないけど)

しかし、岩崎弥太郎は紛れも無い天才であった。14歳で藩主に漢詩を披露するという頭脳を有し、父親をかばって藩に立て付き投獄される度胸を備え、躊躇なく政商に徹する意志を持ち、藩札買い占めや輸送独占など、機を逃さぬ才を持っていた。そして、仲間や死が殺される中、弥太郎だけは生き抜くという強運の持ち主でもあった。

一日中、川の底をのぞいていたとて、魚はけっして取れるものではない。たまたま魚がたくさんやってきても、その用意がなければ、素手ではつかめない。魚は招いて来るものでなく、来るときに向かうから勝手にやってくるものである。だから魚を獲ろうと思えば、常平生からちゃんと網の用意をしておかねばならない。人生全ての機会を捕捉するにも同じ事がいえる。
-岩崎弥太郎

三菱に縁はなくとも、行ってみるといい場所です。

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