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関宿の町並み

DAY51-2 旧東海道唯一の重伝建、三重県亀山市・関宿


1984年12月に「宿場町」として重伝建指定された三重県、亀山市関宿(せきじゅく、せきしゅくとも)。ここは全国唯一の、重伝建指定された「旧東海道沿いの宿場町」である。

同じく東海地域を走る旧中山道には、妻籠宿奈良井宿など、昔の佇まい残す重伝建が少なくない。旧東海道沿い(あるいはその近く)の出身者である僕らは、そういった街道沿いの重伝建を巡るたびにどこかで「東海道にも、昔の様子が残っているところがあればいいのに」と思っていた。

日本の大動脈として開発が進みきってしまった東海道沿い。そんな中で、東海道五十三次の47番目の宿場町「関宿」は、東西1.8キロメートルに200件以上の指定建築物が立ち並ぶ貴重な場所だ。

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壬申の乱の昔からの要所「鈴鹿の関」

関宿は、古代からの交通の要衝だった。その歴史はなんと壬申の乱(672年)に始まり、その頃「伊勢鈴鹿関」が置かれた。不破関(岐阜の関ヶ原あたり)、愛発関(福井県敦賀市と言われている)を合わせて、古代三関という。つまりその昔、関宿は「ここから東は(京都からみて)辺境だよ」という場所だったらしい。なお、どの関もはっきりとした場所は未だ特定されていない。

はるかに下って江戸時代には、東は伊勢別街道、西は大和街道が分岐する活気ある宿場町だった。歌川広重の東海道五十三次では、日が落ちた街道の様子が描かれている(よく見ると人々の顔が結構かわいい)。こんなところが1.8キロメートル残っているというのは、ほとんど奇跡だ。嬉しいと同時に、愛知・静岡の東海道の宿場もみてみたかったなぁと思う。

関宿のまちなみ散歩

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とにかく関宿は東西に長い。端から端まで歩いて帰ってくると、4キロ弱もある。でも退屈せずに歩けるところだから、訪れた際にはぜひ歩いてみてほしい。

関宿

重伝建指定から30年が経過しているということもあり、町並みは非常によく整備されている。

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街道沿いに歩くと、彼方に山がみえる。自然と家屋が調和した景観に囲まれて生活していると、「色々大変だけど、やっぱり景観は守らないと」とか思えるのではないだろうか。

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お土産屋や、お茶屋もちょこちょこあるけど、上品な感じで景観を破壊していません。そしてどこからみても、遠くの山並みがとても美しい。

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看板にも品がある。読めないけれど。

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美容院だってこのとおり。

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通り沿いの家屋には、「ばったり」と呼ばれる収納機能を備えた腰掛けがある。使わない時は写真のように、たたんで収納。お店の陳列棚として使われていた。ちなみにこの折りたたみベンチ?は日本中の重伝建そこかしこでみかけたが、場所によって見事に名称が異なっていた。

関宿の町並み

関宿には、1か所だけ2階に上がって町並みを眺められるポイントがある。だいたい町の中心あたり。

関宿

身を乗り出して関宿の町並みを眺める。彼女は雨を引き寄せる稀有な能力をもっており、一部では、今年の西日本の長雨はこの人が原因であると言われている。

関宿のこて絵

関宿を歩く一つの面白さは、こて絵(漆喰彫刻)。駐車場やそこかしこのお店でもらえる関宿の地図には、だいたいの場所が記してあるけど、歩きながら自分で探すのも面白い。

鬼瓦

鬼瓦の装飾も凝っている。

器

何のお店なのかを端的に示す瓦。

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お店の中には、粛々と桶を作り続ける職人の姿が。一旦通りすぎてから、やっぱり気になって中を覗くともう職人の姿はなく、念願の米びつゲットには至らず。ちなみに、注文してから届くまでには半年以上かかるそうです。

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関宿の東の端、東海道と伊勢別街道の分岐点「東追分」には、大きな鳥居が立っていた。これは伊勢神宮を遙拝(遠くから拝むこと)するためのもので、伊勢神宮の式年遷宮の際に、内宮宇治橋南詰の鳥居を移してきたそうな。結構年季が入っているようにも見えたけれど、意外と新しいのかもしれない。

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関宿は、ものすごく何か特徴的なものがある重伝建ではないが、東海道を堪能できる素敵散歩コースだ。次の目的地は愛知県唯一の重伝建、足助。雨宿りした地蔵尊を横目に、西に向かって歩いた。


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