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DAY80 日本ではじめて磁器を製造したまち―重伝建地区・佐賀県有田町


有田について知るには、「磁器」について知らねばなりません。なぜなら、日本で初めて磁器が製造されたのがこの有田だからです。以来この地は、栄枯盛衰はありつつも焼き物の産地として確固たる地位を保持し続けてきました。

とはいえ僕の知識では有田の歴史はおろか、陶器と磁器の違いすら怪しいというのが現状です。ということで「佐賀県立 九州陶磁文化館」に行ってみました。

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看板も陶器製です。

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陶磁器四分類、土器・せっ器・陶器・磁器の違い

まずは超基本、土器、せっ器、陶器、磁器の4分類から。全部ひっくるめて「陶磁器」とか言われたりするわけですが、全部ちがうそうな。

土器は、粘土を野焼きの状態で700~900℃の温度で焼いたもの。釉薬はつかいません。ちょっと進化した「せっ器(炻器)」は、窯を使い、温度は1200~1300℃。あんまりメジャーな分類ではなく、人によっては陶器にひっくるめてしまうそうです。

そして「陶器」はカオリナイトなどを多く含んだ粘土を原料とし、1100~1300℃の温度で窯で焼いたもの。釉薬を用いるのが特徴です。そして最も高度な技術を必要とする「磁器」は、4つのなかで一番硬く、たたくと金属のような高い音がするのが特徴です。粘土質物や石英・長石を原料に、1300℃程度で焼成します。最もわかりやすい特徴は、写真の通り「白い」ということですね。

このうち、歴史的に最も後に登場したのが磁器。初めて磁器をみた陶磁の権力者たちは、その透き通った美しさにさぞ驚いたことでしょう。といったところで、歴史のお話に移ります。

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九州陶磁器文化館、ずいぶんと歴史関係の資料も充実しています。そこからの学び(+WEBリサーチ)をかいつまんで紹介します。

江戸時代にはいるまで、日本に磁器は存在しなかった

日本における磁器の歴史は戦国時代まで遡ります。戦国大名の間では茶の湯と、茶器が大変流行していました。領地と茶器が等価だと言われるほどのバブルっぷりだったそうです。そんななかでも、特に珍重されていたのは「高麗茶碗」とよばれる朝鮮半島・中国大陸からの輸入陶磁器でした。

戦国末期、豊臣秀吉による朝鮮出兵が企てられました。最終的には敗戦し帰国するわけですが、その過程で肥前鍋島藩の鍋島直茂は朝鮮の陶工を連れ帰ります。この一団のなかにいたのが有田焼の祖「李参平」です。

その後「金ヶ江三兵衛」と称した李参平は、おそらく藩主に命じられたのでしょう、日本人がどう頑張っても作ることができなかった磁器の製造に取り組み始めます。そこかしこの山を掘った結果、1616年くらいに、有田の「泉山」で磁器に向いた土を発見します。

ちなみに李参平は地元で神様扱いされており、まちなみを見下ろす陶山神社の祭神となっています。

陶祖・李参平を祀る陶山神社へ

ざっと歴史を学んだところで李参平が祀られる陶山神社へ。

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階段を登り、線路を超えると陶山神社があります。

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神社の入り口から後ろを振り返ると、電車が!これは撮り鉄さんにはたまらないスポットなのではないでしょうか。

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ちなみに鳥居は磁器製です。

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神社のこの部分も、磁器製。

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もちろん狛犬も磁器製。盗難が心配になるほどの美しさ。

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磁器なので、一部欠けちゃったりはするみたいですね。青空に磁器の鳥居が映えます。

工房やお店が立ち並ぶ重伝建地区・有田

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陶山神社をめぐったところで、再び踏切(遮断機なし!)を通って重伝建の町並みへ。

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こんな感じで両サイドにお店などがあったりするのですが、とにかく重伝建の指定範囲が広い!!ちょっと通りの端から端まで歩くのは無理そうな距離であります。なのでお店を絞って、行ってみたかった「jicon(璽今)」へ。

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有田焼の特徴である「青白く完璧な白」ではなく、ありのままの陶石の色あいを表現した「生成りの白」にこだわったという作品の数々。オリジナルの土を使い、デザイナーさんと議論を重ねながら作り上げているそうです。

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思わずご飯茶碗を2つ購入。店内もお洒落でありながら、とても暖さを感じるつくりでした。

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重伝建のプレートも、ここでは磁器製。細かいところまでこだわっている様子がいいですね。有田町は町並み散策にはとってもおすすめな重伝建地区でした。この次は、山の中腹に隠れた肥前鍋島藩の秘密の窯、大山川内へと続きます。ここでも衝動買いが。(こ)


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