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落合ダム

DAY12 美しい村連合・北海道赤井川村(1) 小売店ゼロの村(?)で暇を持て余していたら


人口約1,200人。美しい村連合加盟村の中でも小さなこの村。美しい村認定理由は「カルデラ」と「農業」。これって、日本中、どこにでもあるよね?しかも、黒松内町、京極町で北海道 後志地域(しりべし)*は相当おなかいっぱいになっている今、これ以上はないでしょ…と、正直、かなり期待値は低かったのです。そう、天野さんにお会いするまでは…。

とりあえずキロロリゾート
ガイドブックやウェブを見ても、いまいち、この村の見どころがわからない。仕方ない。あの音楽ユニットの「キロロ」で有名なキロロ・リゾートに泊まろう。と、前泊はキロロ・リゾートに宿泊**。

キロロ
冷水峠から村一望
翌日、村を一望できる冷水峠に登る。この村は二重カルデラになっているらしい。カルデラ内輪と外輪のようなものをぼんやり確認。このスポット、おすすめは雲海のようになる早朝、だそうです。が、知ったときには時既に遅しでした…。

村全景冷水峠から、赤井川町全景。

中山牧場のアイスクリーム
キロロから冷水峠に行く途中、この村で最も有名であろう、アイスクリーム屋さん、中山牧場に立ち寄った。個人の観光客は必ずここに立ち寄るのだろう、駐車場は混んでいて、みんなアイスクリームを食べている。

私たちも牧場の牛乳とソフトクリームを購入。道の駅のご当地ソフトとは、やっぱり違う。3倍くらい濃い感じだ。しかし、中身にこだわるのなら、価格はあと50円高くてもいい、できることならワッフルコーンにしてほしいところ…!どうせ、アイスが50円高くても、みんなこのお店に来るのだから。
山中牧場
丘の上のこだわりカフェAris Farm
次に立ち寄ったのが、峠からやや下ったところにあった、かわいらしい出で立ちのお店「Aris Farm」(アリス・ファーム)。たまたま店員さんが、私と同郷ということが判明し、話が弾む。北海道に来た当初、こんなに長く居座るつもりはなかったという。

北海道の魅力を聞くと「四季がはっきりとしているところ」と。「今年はここの雪祭りに行こう、来年はあそこの雪祭りにいこう」と、季節毎のイベントを追いかけているうちに、あっという間に9年が過ぎてしまったのだそう。確かに北海道に住んだら、そうなるんだろうな~。今回の旅でも、北海道の見所の多さを実感、納得のご意見でした。

アリススタッフさんと
中でも、冬が一番イベントが多く楽しい季節、という。冬は厳しい季節で、みんなきっと嫌いなのだろうとばかり思い込んでいたので意外だった。それこそ、北海道は振り切れているので、冬は家の中はぽかぽか。静岡なんかよりずっと温かいそうだ。アイスクリームの消費が最も多いのが冬、というのが道民の常識らしい。

Aris Farmの店内には、店長の宇土さんと藤門さんの著作が並ぶ。お店の商品は全て手づくり。材料の多くも、自ら手がけるか、赤井川産村。なければ道内産。徹底的に地元のものから、スタッフの手でつくる。お店の裏の丘にあるレンガのお家も手づくりだそう!著作を読み、その精神に共感したファン達が、道内限らず、日本全国から集まるカフェとなっているようです。カフェひとつでも、人を惹き付ける強力なコンテンツとなりうる、よい例ですね。
アリスファーム店内
美しい村担当・天野さんからの電話
村は小さい。村役場といくつかの公共施設があるために、辛うじて村の中心が認識できるくらい、建物も少ない。誰を待つのか、産直のおばちゃんがだだっ広いガレージのパイプ椅子に、ポツンと座っているのをいくつか通りすぎる。この町にはセイコーマート以外、一つも小売店がないらしい***。

赤井川村地図村中心部のマップ

「どうしよう、なにもないね…。」殆ど何もない村のメイン通りを2往復くらいしたころで、携帯がなった。この村の美しい村担当の天野さんからの電話だった。その日は土曜日で、本来お仕事の日ではないのに、わざわざ連絡をくれたのだ。お会いして驚いた。フットワークの軽いこと軽いこと。羽が生えているかの如くである。村は、まさに自分の庭なのだろう、挨拶しながら、どんどん人んちに入り込んでいってしまう。

お花農家さん
まず連れて行ってもらったのが、お花を栽培している農家さん。北海道の花き市場は比較的小さく、需要が大きいと見込まれたため、赤井川村では10年程前から花の栽培に力を入れ始めたのだそうだ。

私が静岡出身だとわかると、「今はちょうど静岡が花の旬だね。花き市場にいっぱい静岡の花が出回ってるよ。」と。花きは気候(気温)に左右されやすく、寿命も短いため、天気と同じように日本列島を西から東へ、旬がずれていく。気候の違いという意味では全国的に見て他地域と差別化が図りやすい北海道だが、消費地への遠距離輸送がネックのようだ。

お花農家ハウス北海道は道ばたの家の、ちょっとした植え込みに色とりどりの花が咲いている。「北海道では、気候が違うので鮮やかな花が育つ傾向にあるんですか?」と聞くと、「冬が厳しい分、みな花が咲く春がくるのが嬉しいのさ。だから、家の前にも色んな花を植えて愛でるんだ。」メリハリのある四季の楽しみはこんなところにもあった。

用水施設村のダムから灌漑用水を引いている様子。地下水でくみ上げた方がコストが低い気がするが…。なんらかの事情があるのかもしれない。

夏に雪に触れる!雪室体験
次に連れて行ってもらったのが、何人かの農家さんが共同で建てた雪室。建物の構造は至ってシンプル。この倉庫の中が2部屋に別れていて、一方に、冬の間、雪を一杯ためておく。もう一方は、その冷気を利用した天然の貯蔵庫となる。この大きなハコを農協を介さず共同で建ててしまう農家さん達の力がすごい。そして、電話1本、「ちょっと、はいるよ~!」と言って、村営でもない雪室を自由に操り、はいっていってしまう天野さんもすごい。

雪室中はすごい寒さ!思いのほか、まだ雪は残っている。

村の農業を支える落合ダム(常盤貯水池)
村の観光地図にもちゃんと示されていない、やや秘境気味なダム湖。この水源から各農家に用水が引かれている、赤井川農家を支えるダムとのこと。立ち枯れの木々が美しい。キロロのカヌー体験ではここまで下ってこられるそうだ。ただし熊が出る地域なので注意が必要。看板には「熊出没注意」の下に「6/17目撃」「6/18親子目撃」など、手書きの目撃情報が。

赤井川村は、北海道の他地域とちょっと雰囲気が違う。東北の田舎に戻ったような感じがする。それは、山間の小さな土地で、農家当たりの耕地面積が小さいのと、カルデラに囲まれ山がちでもこもこした森が多く、だだっ広い畑がどこまでも続く、という北海道的風景が形成されなかったためだろう。そんな村の中では、このダム湖はちょっとだけ北海道的な雄大さを楽しめるスポットかもしれない。

天野さんと後からFacebookの投稿で気づきましたが、この湖、写真好きな天野さんのお気に入りスポットだったのですね。

>>(2)アスパラ畑で赤井川村の底力を思い知るにつづく

*あいにくキロロ・リゾートメインのピアノの方は改修工事中だったので、マウントホテル泊。ちなみに音楽ユニットのキロロは、特に赤井川村出身というわけではないそうです。

**後志地域:北海道は広いので、道と市町村の間に「振興局」という単位を設けている。黒松内町・京極町・赤井川町と、ここ数日訪問している地域は全て後志管内。

***小売店皆無説はwikipedia情報。後から天野さんに聞いた話では、実は2店舗小売店が存在しているらしい。

DATA – – – – – –

赤井川村データ
Aris Farm
北海道余市郡赤井川村日ノ出259−2
TEL:0135-34-7000

【ご注意】情報は日本一周をした2014年時点のものなので、掲載している施設やお店、温泉等に行く前には必ずお電話してからご訪問ください。もし、情報が古くなっていることがありましたら、ご連絡いただければ幸いです。


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