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歌才ブナ林で

DAY10 美しい村連合・北海道黒松内町 天候悪くアクセス難 それでもこの町にIターンが集まる理由?


北の大地で、私たちが一番最初に踏み入れた美しい村、黒松内町。
黒松内町は聞いてびっくり、会う人会う人、Iターンの方ばかり。しかし、気候に恵まれず、野菜も育たないので酪農の町となったという土地であり、函館からも札幌からも2時間かかるアクセスの悪さ。特徴があるというより、むしろマイナス面が多いように見える。それなのに、なぜIターンが多いのか…。

天候の悪さは折り紙付き
函館から黒松内町へ走った前日の夜。ものすごい霧で一寸先も見えず、運転を断念。途中の小さなSAで一晩過ごしたほど。翌朝もこんな感じで恐る恐る運転。しかもこの道、対向車が数えるほどしかすれ違わない。あの世にでも続いているかのような怖さを覚えました…。

霧の黒松内
しかし、北海道の霧は、気温が上がってくれば晴れるようです。この日もカラッと晴れました。そして、まっすぐな道!と、この道路上の矢印サイン。雪が深くなって車線がみえなくなってしまうため設置されているもの。北海道ならではです。
まっすぐな道路

ブナの里黒松内
黒松内町のキャッチコピーは「ブナの里」。あれ?「黒松」じゃなくってなぜ「ブナ」なの?という素朴な疑問…。黒松内は「クル(=和人の)マツ(=女のいる)ナイ(=沢)」というアイヌ語の当て字。だから、黒松の木とは関係ないんですね。

ブナという木は反りやすく、材木としての価値はないものの、保水力に優れているため、森の生態系を守るのに大きな役割を担う、重要な木だそう。黒松内はそのブナ林の日本の北限にあたります。
ブナの北限
このブナ林はこれまでに2度(太平洋戦争の際と、黒松内町の赤字補填問題となった昭和29年)伐採する計画が持ち上がったそうですが、住民の反対運動でそれを免れ、現在では国の天然記念物として、広大な原生林が残っています。…という一通りのことをブナセンターで学び、ブナ林の中のフットパスをお散歩。きもちいい!(時間と体力により、色々なフットパスが選べますよ)
ブナ林

銀龍草この季節に咲くめずらしい野花 ギンリョウソウも発見

 

良質なお店たち
黒松内町では北海道の食のクオリティの高さに驚くこととなりました(後に、黒松内町のクオリティが抜群に高かっただけと気づく…)。まず訪問したのが道の駅トワ・ヴェールII。ここのパン&ピザのおいしさは特筆するに能う(ので特筆しました、こちら)。このピザ職人の方もIターンで黒松内に来られた方だそう。
トワ・ヴェール2
トワヴェールIIがあるなら、I(本家?)もあります。こちらは、ハムやベーコン、チーズ等の食品加工がメイン。オープンファクトリーになっているので、いつでも見学可。2階に飲食スペースもあり、チーズフォンデュのコスパが素晴らしいとのこと(ピザを食べ過ぎて入らなかった..)。

ベーコンづくり様になってますね!ベーコンづくり。運が良ければ切れっ端のベーコンチップが格安で手に入るそう!しばらく朝ご飯にベーコンチップいただきました。おいしいです。

「緑の屋根」の意味
トワ・ヴェールとは、フランス語で「緑の屋根」。市民公募で決まった名前だそう。黒松内町には、実は結構厳しい景観条例があり、建物の色が条例により決まっています。建替え、塗り替えの時は役所に申請しなければならない。なかでも、公共施設については、全て深緑色の屋根と決まっているんです。「なんとなく、この町きれいだな」と感じさせるのは、そんなところに理由があるのかもしれません。個人の所有物になぜ行政が…という反対意見は根強いようですが、素晴らしい取り組み。

トワ・ヴェール1トワ・ヴェールI。こちらも緑の屋根。

 

北海道の鎌倉すずやさん
次に訪問したのが和菓子屋さん。こちらもIターンのご夫妻で経営されています。鎌倉で修行をされたという旦那様の腕前は評判で、私たちが訪問したときには半分くらい売り切れ!

和菓子材料も鎌倉から仕入れていて、丁寧にあんこからつくっています。

お子さんができ、育てる環境を考えて黒松内町への移住を決めたのだとか。空家を買ってお店に改装。半分おうちみたいな、手作り感あふれるあたたかいお店です。
すずやさん

豆腐処みうら
三件目はお豆腐屋さん。こちらも、ずいぶん前になるとおっしゃっていましたが、埼玉から移住して来られたご夫婦での経営。道産大豆100%という、材料だけでなく、作り方が特徴。みうらさんのお豆腐はおからがでない。豆乳をまるごとお豆腐にする製法。大豆のうまみがぎっちり詰まったお豆腐は、わざわざ道外から買いにくるお客さんもいらっしゃる程。
三浦さん
豆腐屋さんの朝は早い。しかも、冬の水の冷たさは想像するだけで縮み上がります。毎日その日に手づくりした新鮮なものをお届けするには、早起きして仕込む他ないそうです。しかし!ここまでお話を聞いておいて、なんと、本日(木曜)定休…。「また食べに来いってことだよー!」と陽気に送り出してくれた三浦さん。まあるい眼鏡がおしゃれな、面白いおっちゃんと元気な奥様。きっと豆腐じゃなくって、彼らに会いにきてる人もいるんだろうな〜。

三浦さん2

Ange de Fromage
最後に立ち寄ったのが、チーズ屋さんのAnge de Fromage。生産者さん直結のチーズづくりを、ということで、黒松内の牛やヤギのミルクからチーズをつくり、販売しています。牛舎をリノベーションしたお洒落なお店には、カフェスペースも。
牛舎をリノベーションしたお店
お話したスタッフの方も、ご出身は大阪!「黒松内には大阪出身の移住者が多い」と聞いていたのですが、彼曰く「たぶん大阪の人は声が大きい、よくしゃべるだけで、数にしたらそんなに多いわけじゃないですよ」とのこと。確かに、壁を感じさせない、なつこっさとユーモアを持ってのご対応。

ange de fromage

 

Iターンが多い理由
本日町を案内して頂いた黒松内町の森本さんに、Iターン者が多い理由についてうかがってみました。Iターン者は平均7~8人/年。景観の美しさ等の検索か、ネット経由での移住希望が9割以上(ちなみにほとんどの場合、女性が決定権を持ているとのこと)。町のIターン受け入れ施策としては、移住体験施設を提供しています。

また、黒松内町は福祉の町として知られており、介護福祉施設が多い(ほぼ民間施設)。そのため、移住してきた場合の女性の働き口が見つかりやすいということもあるのかも、ということでした。

森本さんご対応くださった町役場の森本さんと。

退職後に移住する方が多い一方で、黒松内町ではIターンの人が、町で仕事をつくっている例が多い。制度的に確立されている訳ではないものの、Iターンの方が何かやりたいと希望したときに、役所がそのフィールドを準備してあげたり、オープン後、積極的に町の魅力として紹介するなど、バックアップ体制が整っているのがその秘訣なのでは、と感じました。

あとは、おいしいプロダクトと素敵なお店が多いことが意外とポイントかも?移住施策でも、胃袋をつかむことが重要だったりするのかもしれない、と思わずにはいられない程、良質のお店の多い町でした。

 

黒松内マップ

黒松内町マップ(出典:黒松内町HP)

データ 

  • トワ・ヴェール
    北海道寿都郡黒松内町字目名152番地4
    TEL:0136-72-4416
  • トワ・ヴェールII
    北海道寿都郡黒松内町字白井川8番地10
    TEL: 0136(71)2222
    営業時間:9時から18時まで(11月~3月は17時まで) ※「ピザドゥ」10時から
    定休:夏季(4月~10月)無休 , 冬季(11月~3月)第2・第4火曜日
  • 和菓子 すずや
    北海道寿都郡黒松内町旭野62−4
    TEL:0136-72-3581
  • とうふ処みうら
    北海道寿都郡黒松内黒松内町字赤井川5番地
    TEL/FAX: 0136-73-2114
    営業時間: 9:00 ~ 18:00
    定休日: 4月~10月は無休。11月~3月の毎週木曜日 (ただし、祝祭日は営業)

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