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居酒屋ゆかり

DAY16 美しい村連合・北海道標津町 鮭の町に鮭がいない時期に訪問…補助金ゼロの地域資源活用企業がつくる鮭節がすごい!


標津町(しべつ)は、なんといっても秋、鮭が遡上してくる川が見物の町!らしく、時期外れに訪問してしまった私たち…しかし、何もないのを覚悟で行きましたが、鮭節工場の見学、野付半島、ポー川遺跡など、意外と楽しめるスポット多く。あっという間の一日でした〜。

砂でできた野付半島
知床半島と根室半島の間にピロッと出ているでっぱり。ここって、どうなってるんだろう?と気になって探検することに(半島の半分くらいまでが標津町、あと半分は別海町だと思います。)
野付半島
この不思議なかたちは、砂嘴(さし=砂のくちばしという字)といって、流れの穏やかな部分に砂が溜まってできた地形なんだそう。なので、植生が陸地と違って面白く、ラムサール条約で保護区指定を受けているために、動物も多く生息するという、意外とすごい場所。

北海道に行くと、やたらと「はまなす」というお店や施設に出会います。なんとなく、語感から、うす紫色とかのか弱そうな花を想像していたのですが、ここで初めて満開のはまなすに出会ってびっくり。かなり鮮やかな、濃いピンクの大きな花なんです。
はまなす
野付半島では、トドワラとナラワラという立ち枯れの木の風景が有名。
ナラワラ
が!湿地より、私は野生の動物がうろうろしていることに興奮!!キタキツネ、シカ、タンチョウ、それから色々な鳥にであえました。
蝦夷鹿
国後島もこんなに近くに見えます。ここは、知床に匹敵する美しさの穴場ではないかと。しかし、その穴場に行けるのもあと何年のことか。温暖化による海面上昇と砂の流出で、半島自体が消えつつあるのです。みなさん、急いで訪問してください〜!
国後島
※ネイチャーセンターで許可証をゲットすると、先っぽの先っぽまで行くことができます。

イクラが目印のサーモン科学館
朝のゴージャスな散歩を終え、そろそろ開館時間と向かった先はサーモンパーク(サーモン科学館)。建物の上に乗っかってるドラゴンボールみたいのは、イクラを模したもの。なぜのっけたんだろう…
サーモン科学博物館
ひとまず、鮭の生態について復習。ご存知のように、この川で生まれた鮭(多くは稚魚で放流)は、大海を旅して一人前になり、4〜5年この川に産卵のために戻ってきます。
サーモンの一生
この博物館も鮭が川に戻ってくる秋が見物!なんと、博物館内に魚道が通っており、水中を登ってくる鮭がみれるのです!もちろん、この時期の魚道は寂しい状況でありますが。
魚道
あのイクラタワーの上まで登ると、遠くに知床半島、目前に標津川が望めます。秋はこの川の水が見えない程、鮭が我を争ってのぼってくる様子が圧巻だとか。その様子も見てみたい!

標津川

ポー川自然公園が意外と楽しい
標津町の美しい村認定理由は鮭とポー川の史跡群。なぜ、こんな地味な史跡が…と思いつつ、一応視察。これがまた、意外と面白かったです。ここは全国的に見ても縄文時代の竪穴式住居跡が最も多く残存するエリア。湿地で植物があまり育たなかったためか、縄文時代のくぼみがそのまま、くぼんで残っています。
ポー川史跡
そして、復元した竪穴住居内に、なぜかヒカリゴケが群生!蛍光グリーンに光る苔。あんまり史跡には関係ないけど、不思議!すごい!
ヒカリゴケ
ポー川史跡は、その縄文史跡エリアに到着するまでが、これまた天然記念物指定の湿原になっていて(花についての展示もあります)、そこを自転車で疾走するのが、かなり気持ちよかったです。おすすめ!
ポー川史跡湿地サイクリング

 

カツオ節ならぬ「サケ節」工場見学
そんな楽しい標津町ですが、なんといっても一番面白かったのは、知床標津マルワ食品さんの鮭節工場見学と、代表の田村さんのお話!もともと、地元の異業種交流仲間達と蕎麦打ちサークルを開催していた田村さん。地元からどんどん若い人がいなくなる。地域に元気がなくなる。何か地域のためにできないか、と考え、休耕田で蕎麦を育てる取り組みをスタート。蕎麦の栽培が軌道にのると、今度は仲間内で、じゃあ蕎麦汁も地場産でできないか。という話になり、出汁をとる鰹節をつくってしまおう!ということで、スタートしたのが鮭節の始まり
鮭節工場1
産卵のために帰ってくる鮭。実はいくらをとった後の身「ほっちゃれ」が大量に捨てられる。その鮭を、鰹節ならぬ「鮭節」に加工することを考案。開発の過程で、産卵のために力を使い、川に戻ってくる鮭には油が乗りすぎておらず、鮭節にするには最適だということも判明。

鮭節工場3三階建ての燻煙機も全て水から設計したもの。木の戸だと火加減がちょうど良くなる程度に酸素が入る。

静岡焼津の鰹節職人益田さんに弟子入りし、徹底的に手づくりにこだわった「手火山づくり」(てびやま)を学ぶ。益田さんには、「機械化した方が効率よい。手づくりは時代遅れ。」と、断固弟子入りを断わられたそうですが、あくまでも「手づくり」で丁寧にこだわる田村さんと、標津町職員の方の情熱に負けて、やっと弟子入りがゆるされたそう。敢えて手をかけていいものをつくることで、雇用を生み出すことにも貢献したいと考えている。現在、工場では7人が働いている。若い人、特に子育て中の女性のパートとして、柔軟な労働時間で対応しているそう。
楢の間伐材手火山づくりは、楢の木で薫製し、ひっくり返して乾燥を1ヶ月間繰り返す。鮭は1/10の重さに。楢の木も、近隣の間伐材で、無駄がない。鮭節はまさに、地域の資源をフルに活かした作品である!!

 

鮭節は田村さんの集大成
田村さん、もともとはNTTの技術者さん。30歳にして一級建築士をとり、建設業へ。そして、現在、鮭節職人へ(去年、調理師の資格も取られたのだとか!)。これまでの経験から、鮭節工場の設計も、日常的な機械のメンテナンスもご自身でやってのけてしまう。企画から、最初の鮭節製造・販売まで半年足らずで実現したのは、田村さんの経験の賜物。しかも、スピードを重視して、補助金0!!!地域で会社を経営している仲間達からの出資金で、成り立っているそうです。こんな会社聞いたことない。すごい。

マルワ食品田村さんと鮭節の華ふぶきは京都の有名な料亭「なかひがし」さんでもお出汁に使われているそうです。

鮭節ラーメンをご馳走に@居酒屋ゆかり
そんなジェットコースターのような田村さんの人生のお話を聞いていたら、夕方に。田村さん、鮭節で出汁をとった鮭節ラーメンが食べられる居酒屋さんに、私たちをご招待くださいました。

鮭節ラーメン透き通って美しい鮭節スープ!

居酒屋に入ると、もちろん、全員田村さんの知り合い。
地元の人:「おっ!なんだ!マスコミの人〜??」
田村さん:「や、美しい村を日本一周回ってるんだってよぉ。鮭節工場を見に来たんだ。」
地元の人:「なーにが美しい村だ。標津村はね、ぜんっぜん美しくねえんだよ。
一気におじさんたちのペース。美しい村、そうですよね〜。地元の方はやっぱり冷ややかか…。ちょっと気まずいな…と思ったら、、、
地元の人:「町は美しくねえんだけどな。ここだよ!おれたちの心が美しい村なんだよ!!!
と、胸をドンドンとたたくおじさんたち。な〜んだ。焦りました。いい人たちばかりじゃないですか。

居酒屋ゆかり旅をしていて、初めて、地元の方にご馳走になるラーメン。とってもうれしかったです。

夜は料亭「武田」で鮭づくし
いつまでも、地元の方とご一緒したかったのですが、実は夕飯、町の方におすすめしていただいた、郷土料理の「武田」に予約をしてしまっておりました。後ろ髪を引かれながら、居酒屋ゆかりを後に。

武田ではサーモン15品の鮭づくしコースを食すつもりが、ラーメンでちょっとお腹もふくれていたので、鮭の珍味に路線変更。「めふん」(血合いの塩辛)、「氷頭」(ひず:当部の軟骨)ともう一品は忘れてしまいました…。鮭珍味

それから、幻の鮭といわれる、「時知不」(ときしらず:川に遡上する前に春夏に海で捕獲される鮭)、「鮭児」(けいじ:修行半ばでまだ出産の時期ではないのに帰ってきてしまった若い鮭)のルイベ(凍らせたもの。北海道の郷土料理)をいただきました。
幻の鮭そういえば、赤井川村の天野さんに、「鮭の心臓(ハツ)は腐りやすいため、市場に出回らず普通は処分されるが、地元の鮭をさばくおばちゃんたちだけが楽しめる絶品である」、と聞いたが、残念ながら今回その夢はかなわなかった。秋には是非、もう一度、食べにきたい!

 標津の町マップ標津のまち歩きマップ。これが一番わかりやすいかと。とっても小さな町なので、これでまにあってしまいます。サーモンパーク所蔵品。

標津町データ

 【ご注意】情報は日本一周をした2014年時点のものなので、掲載している施設やお店、温泉等に行く前には必ずお電話してからご訪問ください。もし、情報が古くなっていることがありましたら、ご連絡いただければ幸いです。すぐに修正させていただきます。


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